2018/07/15 改訂版 「『あなたの悩み、分かるわ』詐欺に気を付けろ」「周りの人をカウンセラーにしない」「人生なんて相談しても仕方がないことが多い」

安藤忠雄

アイデアの原点は情報収集、体験、生きる姿勢 安藤忠雄の『連戦連敗』より

第4講「昨日を超えて、なお」から気に入った箇所を抜粋。机上のスタディだけでなく、現場を自身の目で見て、体験して、デザインを構築する重要性を説いている。また外国で仕事をする際の心構えや情報化時代の取捨選択、長いスパンに耐え抜く耐久力など、建築学生のみならず、芸術を志すすべての若者に捧げるメッセージ。

都市こそ人間の精神の基盤 安藤忠雄の『連戦連敗』より

日本の都市開発の出発点は、拠って立つ理念もなく、目標も曖昧なまま、ただ輸入した形式をそのままなぞることから始めてしまったのです。そこに軋みやズレが生じるのは当然です。役所は今もって、この都市計画法の下でしか都市を考えることができない。一方で、市民側にも都市に対する公的な精神が欠落してしまいますから、個人のエゴがむき出しになり、日本の都市はいまだ誇れる顔をもてないままです。

公共の芸術としての建築と住民の人間形成 安藤忠雄の『連戦連敗』より

小綺麗な住宅街に行くと、住人もまた洒脱として、上品な暮らしをしていることが多い。 逆に、雑多な町では人の動きも忙しなく、賑やかな反面、不穏なところも少なくない。 瀟洒な町に暮らすから住人も洒脱とするのか、洒脱とした人が集まるから町並みも瀟洒になるのか、因果は分からない。 多分、どちらも本当。 『割れ […]

建築の理想と現実――あるいは自分との闘い 安藤忠雄『連戦連敗』より

理想主義とはかけ離れた、非常にドロドロとした現実的な闘いですが、建築とは本来、社会を相手にしなければならない、きわめて泥臭い部分を内包する仕事です。画家や彫刻家といった芸術家と違い、一人で仕事を完遂し得ないのです。そして、常に、クライアントと施工者という他者を介してしか実現し得ない仕事でもある。さまざまなしがらみの中での闘いなのです。

生かす創造 壊す創造 環境と建築 安藤忠雄の『連戦連敗』より

何でも「作ればいい」というものではないと思う。 創造というのは、その名の通り、自分も生かし、周りも生かすことだから、その創作物の為に周りが不幸になったり、百年先まで祟られるなら、それは創造ではなく、破壊だろう。 日本では一口に『つくる』というけれど、英語には、make、create、produce、 […]

コンペで勝てなくてもアイディアは残る 安藤忠雄の『連戦連敗』より

コンペで勝てなくてもアイデアは残る。実際コンペのときに発見した新たなコンセプトが、その後に別なかたちで立ち上がることもある。 そもそも、実現する当てもないプロジェクトを常日頃から抱え、スタディをくり返し、自分なりの建築を日々模索していくのが建築家だろう。